「知的障害者がグループホームに住めない理由」松永千惠子著 中央法規
を読みました。
論文の単行本化ということで、やや小難しく書かれています。できれば
もっと事例を多く紹介するなどしてあるともっと読みやすかったと思います。
現実にグループホームで働いていて感じる、退去の原因
(たとえば、スタッフとの相性、たとえば他の入居者とのコミュニケーション不足)が
きちんと調査されて実証してもらえたのは、すごく良かったと思います。
ただ、ちょっとおかしいと思ったのは、社会福祉士や介護福祉士など福祉の専門職が
いる事業所の方が転居者が多いという結果が出たとのことで、現場で求められているのは
福祉の専門家ではなく、入居者の障害特性に対応できる専門性だと考察されている部分。
本当に福祉専門職のいる事業所の方が、転居者が多いとすれば、
社会福祉士や介護福祉士になる認定基準にその部分が足らないということであり、
別に世話人などが専門性を習得する必要があるとするのはちょっと違うのではないかと感じます。
しかしながらこの結果から親の会や事業所の会などは検討を行い、行政には
もっと報酬単価等を引き上げ、パート勤務に頼らなくてもよい事業所運営ができるよう
提言することも必要なのではないかと思われます。
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